Utah-Colorado-New Mexico-Arizona-Nevada
 ユタ〜コロラド〜ニューメキシコ〜アリゾナ〜ネバダ

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バックロードを走りつないで中西部の国立公園群を巡る。
しかし、この時期はまだ雪が残っていて寒かった。

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 Mexican Hat Rock

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 Four Corners
 ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、この四州の州境を示すモニュメント。

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 無数のバックロードが何十、何百キロも延々と続く。

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 Bryce Canyon

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 Zion National Park
 (三年前に撮影した写真)

1998年3月12日

Mexican Hat-Monticello-Four Corners-Page

 メキシカンハットの村外れに、この村の名の由来であるメキシカンハットロックがあった。なるほど、山の上に帽子のような形の岩がとび出している。岩の形が村の名前になるところがアメリカらしい。

 次に、ここから遠巻きに200kmほど走ってフォーコーナーズへと走る。国道666号を東へ向かってコロラド州に入る頃、あたり一面銀世界となった。道路以外、残雪が厚く残っている。風景がこの時期の北海道、石狩付近にそっくり。

 フォーコーナーズは、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、ユタ州の一角が一点で接触しているところ。州境を示すモニュメントがあり、ちょっとした名所になっている。
 周りの広場ではインディアン達がお土産屋の屋台を開いている。
 しかし言ってみれば、ただ白人のひいた線が交差している場所というだけで、それ以外に何があるわけでもない。
「何百キロも走ってわざわざ来る場所じゃなかったな。」
ここまで来た時間とガソリン代、そして入場料$1.50損した気分だ。
 あるアメリカ人の家族連れがモニュメントの写真を撮っているのだが、オヤジが四つの州にそれぞれ手足を置いて四つん這いになったり、ガキがモニュメントの上で逆立ちしたりして撮影を楽しんでいた。
 なるほど、こんなつまらない所でもああやって楽しむのか、と納得。

走行距離:562km
宿:Navajo Trail Motel $28.00
出費:食費 $14.00
   ガソリン $7.00 (5 gallons)
   Four Corners $1.50

 

1998年3月13日

Page-Bryce Canyon-Mount Carmel Jct.

 Pageはナバホインディアンの居留地内にある町。道往く人をはじめ、ファーストフード店の店員などもほとんどみんなインディアンだ。最初、北米大陸の原住民はみんな同じ顔に見えていたが、部族ごと顔だちのが違いがわかるようになってきた。カナダのエスキモーやグァテマラのインディオとは明らかに違うのが見てわかる。

 Pageよりハイウェイを西へ50km行ったところから、ブライスキャニオンの方へ延びて行くバックロードへ突入。入り口に、「テンポラリーロードクローズド」の看板が立っていたがかまわず進む。こんな時でも長年の勘で本当に通れない道がわかる。
 奇岩の渓谷の中を走る道は、アップダウンが激しく、まわりの風景も地球離れしていて楽しい。(このページ上の写真)
 所々ぬかるんでいるものの約64km走ったところで舗装路に出た。ここから少し走れば国立公園に至る。

 ブライスキャニオン国立公園へ入るのは今回が初めてである。実は三年前にここのゲート前まで来たのだが、そこで急に雨が降ってきたので引き返してしまった。そして雨雲から逃げ回っているうちに200kmも離れ、結局訪れることができないままになってしまったのだ。
 あとでそのことを自転車で世界一周している友人に話したところ、「あんないいところへ目の前まで行って引き返すとは大バカ者だ。」とけなされてしまった。

 入場料$5.00払い公園内へ進むと急に小雪が降り出してきた。ここは標高2,000mもあるので3月に雪が降っても不思議じゃないが、気温は11度あるのでそれほど寒く感じない。
 各ビューポイントでは他のビジターが口をそろえて「こんな寒いのにバイクかい?」と言ってくる。確かに寒いかもしれないが、ブライスキャニオン特有の美しい奇岩を見ていると寒いことなんか忘れてしまいそう。

 しかし、パークを出て国道89号を南へ走っているとき、みぞれが雪に変わり、終いには吹雪となってしまった。道路にはシャーベット状の雪が積もり、滑って危っかしい。
 気温が一桁になると本格的に寒くなってきた。手先の感覚は既になくなっている。早く宿について熱いシャワーを浴びたいが、この後着いた先のモーテルで悲惨な目に遭うとは誰が想像できようか。

 ザイオン国立公園手前の小さな町について、安い割に小綺麗なモーテルに入ったまでは良かった。
 シャワールームで最初熱いお湯が出ていたのだが、全身石鹸だらけという時、水になってしまった。こんな時に限って泡切れの悪い石鹸を使っていたりする。ガタガタ震えながら水シャワーを浴びた。

走行距離:307km(Total 3,711km)
宿:Golden Hills Motel $30.73
出費:食費 $17.00
   ガソリン $0
   ブライスキャニオン国立公園 $5.00

 

1998年3月14日

Zion N.P.-Las Vegas-San Bernadino

 朝、雨雲が厚くかかっていたが、雨は降っていないようだ。天気が回復することを願って走る準備をするのだが、いざ出ようとしたときに雨が降ってきた。雪じゃないだけましだ。
 雨の中ザイオン国立公園を走る。ザイオンへは三年前にも来たことがあるのだが、インターステート15号線へ出るにはパーク内の道を横切った方が早く着く。
 みぞれ混じりの雨が降り寒いが、奇岩の連続する風景に所々残雪が残り、雲が低くかかっているという、これまた幻想的なすばらしい風景を見ることができた。夏の晴れの日とは違う、ザイオンの厳しい貌だ。

 パークロードを抜け15号線をひたすら南下、ラスベガスに着く頃にはすっかり暖かくなった。
 ラスベガスは町の至る所に賭博場があり、それを広告する電光掲示板もやたら多い。高層ビルも派手な色使いで装飾され見た目にうるさい。ビルの谷間に黒く光るピラミッド、モスク型のビルなど、奇異な形の建物がいっぱいだ。ガソリンを入れようとスタンドに入るが、店の中にまでスロットマシンがある。
 持ち金全部使って博打うったらどうなるだろうか。もし何百万ドルも勝ったらKTMのラリーマシンを買って毎日高級ホテルに泊まりながら世界一周できるんだが...。

 ガソリン満タン後、バイク旅行者には場違いな町を早々と抜ける。
 しかし、こんな砂漠の中にギャンブルの町が出現するというのも不思議だ。今日もネバダの砂漠で人の欲望が渦巻き、そして莫大なお金が動くのだ。覇者の高笑いと敗者のすすり泣きが聞こえそう。

走行距離:668km(Total 4,379km)
宿:Motel6 (San Bernadino) $35.15
出費:食費 $10.00
   ガソリン $6.02(4.9gallons)
   ザイオン国立公園 $5.00

1998年3月15日

San Bernardino

 朝、ナンバープレートの到着を確認しようとバイク屋に電話してみるのだが、担当のスティーブは不在。タッドという人がかわりに応対してくれたが、月曜にメールボックスをチェックしてみるからまた明日の昼前にでも電話くれとのことだった。
 アメリカでは、同じ店の人間でも横の連絡がうまくとれてないことが多いらしいので、担当者本人に直接聞かないと結果が分からない場合が多い。
 「案外すでに届いているかもしれないな」と都合のいい方向に考えてしまうがどうなる事やら。
 しかし早く届いてくれないとアメリカの滞在費に莫大な費用が消えてしまう。(特に宿代)

走行距離:0km(Total 4,379km)
宿:Motel6 (San Bernardino) $35.15
出費:食費 $8.00

1998年3月16日

San Bernerdino

 バイク屋へ行くが、ナンバープレートは届いていなかった。「来週の月曜には来るだろう。」というが果たして本当に来るのか疑問が残る。

走行距離:15km(Total 4,394km)
宿:Motel6 (San Bernardino) $35.15
出費:食費 $7.00

1998年3月17日〜23日

Riverside

 この一週間はリバーサイド・University Aveの安宿(週$125.00)で過ごした。
 毎日中南米関連の本を読みふけったり、ウェブで情報を集めたり...。

 テレビで「ノースアメリカ相撲チャンピオンシップ」というのを観たのだが、長髪の力士、刺青を入れた力士や、褌の下にパンツをはいている力士、バランスの悪い(胴回りだけが太い)体型の力士などが出てきて結構笑えた。行司はプロレスのレフリーみたいな格好をしている。
 勝負に勝った力士がピースサインやガッツポーズしたりして滅茶苦茶だ。(普通あんな事しないぞ!!) こんな具合に何もかもがいいかげんなのだ。

 23日、待ちかねた月曜日だ。今日、ナンバープレートを受け取ることになっている。しかしバイク屋へ行って確認したが、がっかりなことにナンバープレートはまだ来ていなかった。そして店の人は「あと二週間はかかるかもよ」と曖昧なことを言う。
 冗談じゃないな。アメリカで二週間滞在するににいくらかかるんだ。5〜6万円?

 再びDMVへ直接催促しに行くことにした。しかし、DMVで唖然とするような事実を知る。
 なんと、バイク屋から書類が提出されたのが3月15日だと言うのだ。バイクを買ったのが2月17日なので約一ヶ月も時間がかかっている。書類の作成がどういうシステムで為されているのか知らないが、なぜ一ヶ月もかかるのだろうか。バイク屋の店員スティーブによると「ナンバーの発行は6〜8週間かかるかもしれないが、それはDMVの仕事なので我々はコントロールできない」と言っていたが...。
 バイク屋もある程度仕事がたまってからまとめて書類手続きしているのかもしれないが、店員スティーブはそのことをよくわかっていないのではないだろうか。あれほど毎週のようにバイク屋へ行って催促しているというのになんてこった。

 サンバーナジーノのDMVへ走り、受付係に事情を話したところ、ナンバープレートを再発行するという形で即日出してくれることになった。$8.00よけいにかかるが仕方ないだろう。通常の書類は即日出すことはできないが、レジストレーションカードとバイクの所有者を証明するテンポラリーの書類があれば、保証はしないが国境も越えられるだろうとのこと。
 DMVの係りによると、正式な書類は三週間後に郵送するという。(バイク屋の言う二週間とはどこからた数字だろう?いいかげんな奴め!!)
 アメリカに三週間も滞在するお金があれば、三週間後にメキシコシティあたりから飛行機でとりに来たほうが安上がりだ。郵送してもらうという手もあるが、メキシコの郵便事情から紛失される可能性が高いのでダメ。

 ・・と言うわけで明日からやっとメキシコに入れることとなった。何だかんだで疲れる出来事が多いが、旅行中は足止め喰らったり何日も待たされたりの連続だ。
 これまでの旅でも部品やタイヤの入荷待ちで何日待たされたことだろう。これからラテン世界に入れば尚更待たされる機会が多くなるだろうが、いちいち逆上していたら長続きしない。運を天に任せ、柔軟に対応するしかない。

走行距離:140km(Total 4,534km)
宿:Hi Way Inn $125.00(週)
出費:食費 $50.00(週)


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