黄色で塗られたカテドラル

　グァテマラでは馬を交通手段として利用している人がたくさんいる。

　グァテマラエンデューロクラブ。モトクロッサーが公道を走っている国。

Panajachel-Guatemala City

　ディーゼルエンジンの車やバスが真っ黒い煙を吐き出しながら走るグァテマラシティはいつも汚れた空気に包まれている。一年中気温も高く、じっとしていても脂汗がべたつく。そんな中をバイクで走っていると短時間で顔が真っ黒になってしまう。
　できれば避けて通りたい町だが、今回はニカラグアのビザ取得のためどうしても立ち寄らなければならなかった。

　グァテマラシティでは政府公認の観光ガイド、五十嵐さんの経営する「カクテルツアーズ」を訪れた。ここでは旅行者向けに二部屋解放しており、一泊15ドルで宿泊することができる。二年前にも利用させてもらったのだが清潔な部屋に60チャンネルのケーブルテレビ、日本の新聞・雑誌、中南米関連の書籍を読むことができる。
　残念ながら五十嵐さんは通訳の仕事で留守にしており二年ぶりの再会をはたせなかった。かわりにグァテマラ人のテルマさんが応対してくれたのだが、スペイン語しか話せないものの、ゆっくり丁寧に発音してくれるので雑談を含めスムーズなコミュニケーションができた。

走行距離：145km(Total 9,279km)
宿：Q90
出費：食費 Q40

1998年4月17日

Guatemala City

　ニカラグアのビザを取りにニカラグア領事館へ。一時間も歩いてそこへ行ってみたのだが地図が古いため、領事館移転前の場所へ来てしまったらしい。近くに中国大使館があったので、そこで現在のニカラグア大使館の場所を教えてもらう。　しかし教えてもらった場所がなんとカクテルツアーズから徒歩十分ほどの場所だった。
　ビザの発給は通常25ドルで翌日発行になるのだが、プラス５ドル出せば即日発行してもらえる。用紙に記入後、待ち時間30分程度で発行してもらうことができた。

　領事館へ来たついでにバイクでニカラグア国境を越えるときにかかるお金を訊いてみると約10ドルとのこと。果たして本当に10ドルで通れるのだろうか。
　過去の旅行者の話だと、国境付近に戦争孤児がたむろして、通行する旅行者へ「通関の手伝い」やバイクが盗まれないようにする「見張り」と称してお金をたかってくると言う。

走行距離：0km(Total 9,279km)
宿：Q60
出費：食費 Q66
　　　ニカラグアのビザ $30

1998年4月18日

Guatemala City-Antigua

　18、19日は皆木さんのお宅でお世話になった。
　皆木さんは四年判前、旅行の最中に現在の奥さんであるグァテマラ人女性と知り合い、そのまま結婚、アンティグアの町に家を購入し暮らしている。皆木さん夫婦には二歳四ヶ月になる息子さんもいる。日本とは対照的なこの町で楽しそうに暮らしている彼らを見ていると「本当の幸せってなんだろう？」と考えてしまう。

走行距離：97km(Total 9,376km)
宿：友人宅
出費：なし

1998年4月19日

Antigua

　昼食時にアンティグアの町を歩いた。スペインの植民時代に栄えたこの町は中世ヨーロッパの町並みがそのまま保存されている。コロニアル都市の例にもれず、町の中央にパルケ（広場）があり、多くの人々がのんびりと過ごしている。ここでは馬が交通手段として使われており、パルケのまわりには付近の村からやって来た人の馬が繋がれている。
　しかし、一方ではパルケ脇のレストランに十数台のモトクロッサーが止まっている光景が見られた。ゼッケンには「Enduro Club of Guatemala」と書かれている。レストランのライダーを覗くと意外なことにみんなインディオの血が濃いメスティソの人たちで、白人は一人もいない。
　やがて食事を終えた彼らはそのままモトクロッサーに乗って爆音とともに公道を去っていった。この国はモトクロッサーで堂々と公道を走っていいのだろうか？
　石畳のコロニアル都市に馬とモトクロッサーが一緒になって走っている光景もグァテマラらしいと言えなくもないか。

走行距離：0km(Total 9,376km)
宿：友人宅
出費：食費　昼 Q48