Puerto Acosta-Copacabana-La Paz
プエルトアコスタ〜コパカバーナ〜ラパス
Lago Titicaca チチカカ湖 - 標高3,810メートルの淡水湖
![]() クスコ〜プーノの高山鉄道。
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1998年8月19日 Puno-Puerto Acosta-Copacabana 今日はボリビアへ向けて国境越えの日。行程はチチカカ湖西側の一般的な国境は通らず、湖を東へ回る道を選んだ。ここはよっぽど物好きな旅行者以外ほとんど人通りのないマイナーな国境。バスなど公共の交通機関がないため、バイクや車など自分の乗り物を持つ人しか通れない。そして国境にイミグレなどは無いので出国手続きは220kmも手前のプーノで済ませることになる。 プーノから湖の北側を回る道はフリアカ〜ワンカネまで舗装路があるのだが、今回は「Huata」、「Coata」の集落経由で湖よりのバックロードを走ることにした。プーノからフリアカへ向かって二十数キロ行くと右へ向かって砂利道が続いている。最初の方は良かったが、コアタの村を通過した時点で道が大平原に消えていた。あるのは人と馬の足跡だけ。北へ突っ切れば道に出るだろうと判断し、道無き道を進むこと20km、二車線の砂利道に出た。地図には載っていないがピシの村へ通じる道だろう。 何百、何千キロも悪路を走ってきたせいだろうか、ボリビア国境手前で撮影しようとしたとき、無惨にもカメラが故障してしまった。内部の電子制御部がショートしているらしく、電源スイッチを入れると同時にズームレンズのモーターが暴走、ズームレンズが最後まで伸びきってもギーギーと音を立てて回り続けている。まだ買ってから四年ほどしか経過していないのに。撮影枚数も僅か700枚程度だと思うが、長い間振動や湿気に晒したのが悪かったのだろう。ラパスで新しいカメラを買う必要があるが、残り少ない資金で数百ドルのカメラを買うのは実に厳しい。 「Moho」の村から約23km、国境の町「Ninantaya」に至った。一般的に国境の町はどこも人がいっぱいいて猥雑な雰囲気があるのだが、ここはボリビアとの交易がほとんど無いためか村中静まりかえっている。国境にはイミグレもアドゥアナもン無く、あるのはポリスコントロールと軍の検問のみ。 林道のような細い道を通りボリビアに入る。風景が微妙に変わったように感じるが、何も変わっていない気もする。変わったのは壁に書いてある政治スローガンだけかもしれない。国境を越えて最初に通過する町「プエルトアコスタ」ではイミグレーションに立ち寄り入国の手続きを済ました。係官はバイクの通関手続きは無し、エクアドル同様フリーパスだ。
チチカカ湖とウイニャマルカ湖は細い水路で繋がっている。その水路を挟むように両岸にはティキーナとサンペドロの町がある。その二つの町の間には橋が無いので自動車は艀で水路を横切らなければならない。しかし艀を見て驚いた。小さなフェリーのようなものを想像していたのだが、それはまるで筏だ。トラック一台乗るか乗らないかの大きさで見るからに頼りない。 朝から450km(ダート300km)走ってコパカバーナに着いたときは夜8時、長い一日だった。(翌日気がついたことだが、ボリビアはペルーよりも一時間時差があるのでこの時すでに9時を回っていた。) 走行距離:451km(Total 21,081km)(ペルー225km) 両替 US$5 -> 25bolivianos 1998年8月20日 Copacabana コパカバーナはチチカカ湖に面しているのんびりとした田舎町。滞在費が安いのでゆっくり過ごせるのがよい。 走行距離:0km(Total 21,081km) 両替 US$40 -> 220bolivianos 1998年8月21日 Copacabana-Isla del Sol, La Luna-Copacabana 船に乗ってチチカカ湖に浮かぶ島「Isla del sol」(太陽の島)、「Isla
de la luna」(月の島)へ出かけた。船は船外機が二機ついている古い木造船。島に近づくほど波高くなり、船は木の葉のように揺れた。太陽の島北部まで二時間以上かかって到着。 ここの船はかなり乗り心地の悪いものだ。船には船外機が二機ついているのだが一機しか稼働していないので亀のように遅い。目的地が視界にあるのになかなか近づかないのだ。月の島に寄ったあと、太陽の島の南部へ寄港、桟橋で船を乗り換え、そのままコパカバーナへ戻った。一日中船に乗っていたので陸に上がってもまだ揺れているような感じで気持ち悪い。これまで色々乗り物に乗ってきたけど、やはりバイクに乗っているときが一番楽しいと思う。 走行距離:0km(Total 21,081km) 1998年8月22日 Copacabana 一日HPの編集やバイクの整備などしてのんびりとして過ごす。走行距離が延びるにつれて車体の傷や破損箇所が増えてくる。 走行距離:0km(Total 21,081km) 両替 TC US$50 -> 265bolivianos 1998年8月23日 Copacabana-La Paz コパカバーナをあとにラパスを目指す。チチカカ湖西岸から東岸へ抜ける半島部は左右にチチカカ湖の展望が開け、眺めの良い道が続いている。ティキーナでは四日前同様、筏のような艀に乗って向こう岸へ渡った。料金は10ボリビアーノス。大型バスが渡っているが見るからに危なっかしい。 約160kmでボリビアの首都ラパスに到着。標高3,636m、大きなすり鉢状の地形に大小の建物がビッシリと建っている。 走行距離:166km(Total 21,247km) 1998年8月24日 La Paz ラパスではバイクのリペア、消耗部品の購入のためバイク屋巡りをする必要があったが、ラパス市内にはぱっとしたバイク屋がない。過去バイクで南米を走った旅行者の手記によると、ラパスから東へ約850km行った町サンタクルスの方が部品の入手がしやすいという話がある。しかし今回はサンタクルスへ行く予定がないのでどうしてもラパスで探す必要があった。 走行距離:0km(Total 21,247km) 両替 Citi US$100 1998年8月25日 La Paz 黄熱病の予防接種を受けるため、「Servicio Departamental de Salud」へ。日本では4000円以上かかるらしいが、ボリビアではイエローカード発行手数料込み60ボリビアーノ(約1500円)で受けることができた。注射器はもちろん未開封の新品を使う。 走行距離:0km(Total 21,247km) 両替 TC/US$100 ->547bolivianos 1998年8月26〜29日 La Paz ここへ来て思いがけない再会があった。バイクで南米を二回、合計二年間以上も旅行している水野さんが唐突に現れたのだ。水野さんとは去年の6月に長野県のあるキャンプ場で会ったのだが、その時に南米ツーリングの情報をたくさん教えてもらい、色々お話を聞かせてくれた。すでにスペイン語がぺらぺらで、現地にとけ込んでいるといった雰囲気。 チリ、アルゼンチン以外、中南米ではあまり良い道路地図が手に入りにくい。ラパス市内でボリビアの地図を探したのだが、中央郵便局のビル7階「Servicio
Nacional del Camino」で売っていた道路地図は、あまり役に立つような代物ではなかった。 走行距離:34km(Total 21,281km) 1998年8月30日 La Paz-Urumiri 宿のメンバーを集めて、みんなでキャンプへ行くことになった。目的地はラパスの南約120kmの山間に湧くウルミリ温泉。七人集まったのでレンタカーを二台借りて出発した。車輌はビタラ(日本名エスクード)二台、料金は一日一台 52ドルなので安上がりだ。 しかし朝からトラブルが発生した。メルカドへ買い出しに行きいざ出発しようとしたのだが、古川さんが運転しているビタラのイグニッションキーが回らないのだ。原因はキーそのものと、キーシリンダーが摩耗している為らしい。 ラパスから出るときに一部未舗装路があったが、約80km地点のT字路までは真っ直ぐな舗装路。標高4,000mの高原地帯を快適にドライブした。ウルミリへ向かうT字路へさしかかり国道からそれて未舗装路を30数キロ、ツヅラ折れの道を降りて素彫りのトンネルをくぐると温泉に到着する。 夕食に鍋を囲み、夜は露天風呂に浸かった。考えてみるとお湯に全身を浸すのは半年ぶり。満天の星空の下、ボリビアの温泉で遠き日本を思い出す。日本人七人、みんなで流れ星を見ながらキャンプの夜を楽しんだ。 走行距離:117km(レンタカー) 1998年8月31日 Urumiri-La Paz 朝から露天風呂に浸かりゆっくり過ごした。泉質などはよくわからないが露天風呂の温度は摂氏42度、ちょうど良い湯加減で日本人向きの温泉だ。地元の人や白人は下流にあるプール状の温度の低い湯に浸かっている。 昼食に再び鍋を囲み、午後になってウルミリを後にする。帰路、来たときとは違うルートである谷底に降りる方の道を選び、狭くてグネグネ曲がりくねった林道を走る。今回車を運転するのは三月のバハカリフォルニア以来だ。バイクと比べて快適だし、みんなと話をしながら走れるのがよい。この時はバイクを売って車で旅しようかと思ったほど。 走行距離:133km(レンタカー) 1998年9月1日 La Paz 洗濯などしてのんびり過ごす。「ゲストハウストキ」に滞在している間はみんなで食材を買って料理するので安くておいしいものを食べることが出来る。 走行距離:0km(21,281km) 1998年9月2日 La Paz バイク二台で、ゆみこさん、古川さんと動物園へ行った。ラパス郊外に「月の谷」と呼ばれる景勝地があり、動物園はその先にある。ここではボリビアのセルバ地帯に生息する猿や、蛇などのハ虫類、コンドル、ピューマ、ジャガーなどを見ることが出来た。 走行距離:30km(21,311km) 1998年9月3〜5日 La Paz バイクの掃除、洗濯、HPの編集などしていると、あっという間に時間が過ぎて行く。この三日間で宿泊者がみんな出ていってしまい、12人泊まれるドミトリーも自分一人だけになってしまった。 走行距離:0km(21,311km) |