世界各国のバイク旅行者

 道端で世界各地からやってきたバイク旅行者たちに出会い、ひと時の会話を楽しんだ。
バイクや装備を見るだけでだいたいの国籍がわかる。
たとえばドイツ人ならアルミ製のトランクを左右に振り分けて取り付けたBMWに乗っている。その他のヨーロ ッパ人は樹脂製のトランクを使っている。
 アメリカ人ならハーレー又はHONDAの ゴールドウィングに乗っている人が多い。
そして日本人は250ccクラスのトレールバイクに乗る人が大多数を占めていている。
 ある時、アメリカ人から「何でバイクに乗るときバックパックを背負うのか?」と訊かれたことがあるが、考えてみると日本人以外でバックパックを背負って走っているライダーは見たことがない。

 中西部一周ドイツ人

 彼等はバイクをドイツからロスアンゼルスまで梱包なしで飛行機で運んできた 。約600ドルで送ったと言うからうらやましい。日本から飛行機で送るとなると3000 ドルはかかるというと驚いていた。
 バイクはBMWのGS、左右に大きなアルミボックスを装備している。ガスタンクに専用の振り分けバッグがぶら下がっているのが面白い。
 ドイツに「テッシュ」というバイクツーリング用品専門店があり、そこへ行けばアルミ製の箱を始めバイク用品は何でも揃うらしい。
 北米縦断アメリカ人チャック

 ニューメキシコ州サンタフェからやってきたシティエンジニア。バイクはトラ ンザルプ600V。
 アメリカ製の大きな振り分けバッグを装備。マフラーの熱からバッグを守るため、手作りのマフラーガードを取り付けている。
 この人は若そうに見えるが、すでに40のおじさんである。
 最初に会った場所から2,000kmも離れた場所で再会、カナダの極北地方は道が少ないので同じ人に何度も会うのだ。
 石取りカナダ人ロバート

 カルガリーからアラスカハイウェイ、クロンダイクハイウェイ、デンプスター ハイウェイを走り抜け、各地で鉱石を採集しながら旅している。地質学が趣味の 電気工事士。
 このバイクで砂利道を時速130kmでぶっとばすのだが、僕が更に速い150km/hで走るとやたら悔しがって不機嫌になっていた。
 北米一周ノルウェー人・スイス人・ドイツ人

 彼等もまたバイクをアメリカに空輸してやってきた。バイクの装備がいかにも ヨーロッパ人である。
 ドイツ人以外の欧州人は樹脂製のトランクを装備している人が多い。
 写真左に写っているバッケンという人は、顎の部分から開くフルフェイスヘルメットを被っている。どこのメーカーのものか知らないがなかなか便利そうだ。
 北米一周ドイツ人

 ドイツでトラック部品の販売をやっているのだが3カ月も休暇を取ってやって きた。日本で3カ月も会社を休めばクビになると言うとコーヒーをおごってくれ た。なんと彼はコーヒーに砂糖をスプン10杯分も入れるのだ。バイクはBMW R100GS PD。
 雨の中、泥濘のバックロードを走ってきたのだが、バイクがあまりにも重く泣きが入ったという。
 僕のXRを見て「軽そうでいいなぁ」と、ため息をついていた。

「物を買うときは重い物を買え。」
ドイツの諺より
 カスタムバイクビルダー ブライアン

 ブライアンはサウスダコタ州のバイク屋で働いており、このハーレーは彼のハンドメイド作品だ。自国のバイクに誇りをもっているのが好感。アメリカ人はやっぱりハーレーが好きなのだ。
 しかし、ハイウェイで見かけるハーレー乗りは集団で走っていることが多い。
 独りで走っている方がカッコイイのにと思うのは僕だけではないだろう。
 
 アメリカのハーレー乗り

 ブライアンのバイク屋のお客さん。アメリカのハーレー乗りは刺青をしている 人が多くほとんどノーヘルで走っている。
 この1300ccのハーレーに乗せてもらったが、乗った印象は「曲がらない」に尽きる。スピード出してT字路を曲がろうとしたらステップが擦ってそのまま中央分離帯につっこみそうになった。
 タンデム メキシコ一周ドイツ人・ジンバブエ人夫婦(Uwe & Natalie)

 ウベはアフリカ大陸をバイク(KLR250)で一周したことがある。そのときジン バブエで出会った人がナタリーである。彼等には最初、メキシコ北部の国立公園 で出会った。そして偶然にも3000km離れた場所で再び会った。
 メキシコシティの手前でドライブシャフトのベアリングが砕けたが、スペアを持っていたので修理できたという。やはりシャフトドライブの重量級BMWは駆動系が弱いらしい。

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